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セールス・組織づくり

「僕たちのチーム」のつくりかた書評|伊藤羊一が説く“強み”を活かすチーム論【BookLog.21】

2025年4月21日

1. 導入:この本を読むべき理由(悩みに共感する)

「うちのチーム、なんだかうまくいかない…」
「頑張ってはいるけど、成果に結びつかない…」
こんな悩みを抱えているリーダーやマネージャーは少なくないと思います。僕もかつて、組織の中で成果が出ない理由をメンバーのせいにしていたことがありました。でも、本質はそこではなかった。

本書『「僕たちのチーム」のつくりかた』は、「メンバーの強みを活かしきる」リーダーシップのあり方を、極めて実践的な観点から描いた一冊です。単なる精神論でも理論の羅列でもなく、「どうすれば、チームの力を最大化できるのか?」を一つひとつ丁寧に解き明かしてくれます。

もしあなたが起業家や個人事業主で、これから仲間とチームをつくっていく立場にあるなら。
もしあなたが組織の中で、メンバーを率いる立場にあるなら。
本書は、その「チームづくり」の原点と進化の両方を学べる、数少ない実用書です。

2. 書籍の概要:著者・出版背景・構成と対象読者

著者はZホールディングス(旧Yahoo! Japan)傘下で企業内大学「Zアカデミア」の学長を務める伊藤羊一氏。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長でもあり、経営と教育の両軸で“人と組織の可能性”に挑戦してきた人物です。

本書は、以下のような構成で展開されています。

  • 序章:「リーダーの最優先事項は、メンバーの強みを活かすこと」
  • 第1章:フラットなチームをつくる
  • 第2章:1on1で本音を引き出す
  • 第3章:会議で主体性を引き出す
  • 第4章:チームのゴールをどう設定するか
  • 第5章:横断的なプロジェクトでチームをつくる
  • 第6章:動き出した後の課題をどう乗り越えるか
  • 終章:「あなたはどうする?」——リーダーとしての覚悟

対象読者は、以下のような人たちです。

  • 起業を志す20〜40代の個人
  • チームを率いる現役のマネージャー・リーダー
  • 部署横断のプロジェクトに関わる専門職・士業
  • チームビルディングに課題を感じている個人事業主やスタートアップ創業者

3. 要点まとめ

志(想い)から始めよ

リーダーに必要なのはスキルや知識よりも「志=想い」。何を成し遂げたいのか。なぜ今のチームにいるのか。著者はまず、この「自分の内側にある動機」に向き合うことが、チームを率いる土台だと語ります。

これは、中小企業診断士として多くの経営者と接してきた僕も強く共感するポイントです。どれだけ仕組みを整えても、リーダーに“軸”がなければチームは動かない。想いは、行動の原動力であり、判断の拠り所になるのです。

チームは「フラットな場」であるべき

ヒエラルキー型の組織は、もはや時代遅れ。著者は明確にそう断言します。代わりに必要なのは、立場に関係なく意見を言える「フラットな場」をつくること。これは単なる民主主義的運営という話ではなく、強みの発揮を最大化する仕組みです。

リーダーはその場の「ファシリテーター」であり、「指示する人」ではない。組織の中で役職を持っている人ほど、この変化を体現することが求められます。

1on1と会議の質がチームを変える

本書では、定期的な1on1ミーティングや、活発な会議運営の方法についても詳しく言及されています。リーダーは「話す側」ではなく「聴く側」であり、メンバーの話にどれだけ耳を傾けられるかが、信頼関係を左右する。

特に、雑談を含めた“余白の会話”が、メンバーのモチベーションと主体性を引き出す鍵になるという視点は、非常に実践的です。

ミッションとゴールは「自分ごと化」させる

組織のビジョン・目標は、与えるものではなく「ともに創るもの」。著者は、定性的・定量的ゴールを一体化させる設計力と、それを共有・浸透させる対話力がリーダーには不可欠だと述べています。

これは、経営者にとっても共通の課題。「ビジョンが共有できていない」と感じるなら、それは“共有の仕組み”が不在である証拠かもしれません。

チームは変化の中で進化する

プロジェクトが始動し、課題に直面する中で、チームは真価を問われます。本書では、「踏み出すこと」以上に「継続すること」「軌道修正すること」の重要性を説いています。

リーダーは、最後まで“答えを与える存在”ではなく、“共に歩む存在”であり続けることが求められるのです。

4. 印象に残った言葉・フレーズ

「リーダーの最優先事項は、“メンバー一人ひとりの強みを活かしきること”である。」

この言葉は、本書全体のコンセプトを象徴しています。従来の「まとめる」「管理する」タイプのリーダー像ではなく、「場を整える」「強みを引き出す」新しい時代のリーダー像が示されています。僕自身、これまでの経験の中で、“弱みを直す”マネジメントより“強みを伸ばす”リーダーシップの方がチーム全体の成果に直結することを体感してきました。

5. 中小企業診断士としての考察・経営者視点での価値

本書の価値は、単なる「良いチームづくり」の話にとどまりません。中小企業や小規模事業者の現場においては、少数精鋭のチームで事業を動かしているケースが多く、一人ひとりの役割や影響力が極めて大きい。だからこそ、「フラットな場づくり」「1on1の設計」「共通ビジョンの構築」などは、そのまま事業成果に直結する経営戦略です。

特に“人に依存せず、仕組みで回る組織”を目指す経営者にとっては、本書は戦略書であり行動マニュアルでもあります。

6. この本が挑戦者に与える影響・実践で活きる場面

  • 起業初期の仲間集めとビジョン共有
  • 部署横断のプロジェクト立ち上げ時
  • 新規事業の立ち上げチーム構築
  • 離職率が高いチームの改善
  • 社員の主体性を引き出すマネジメント

「挑戦」に直面している人ほど、この本の真価を実感するはずです。

7. 誰におすすめか?どう使えば効果的か?

おすすめ対象

  • 部下育成に悩むマネージャー
  • 初めてチームを任されたリーダー
  • 起業して仲間と一緒に事業をつくりたい人
  • 組織に閉塞感を感じている管理職
  • スタートアップのCxO(特にCOO/CTO)

活用方法

  • 読後に自チームの「1on1」設計を見直す
  • 経営計画書・ビジョン発表に本書の要素を取り込む
  • 毎週1つの章を読み返し、社内で試す「実験読書」
  • 自社の会議体を“対話型”に再構成するヒントとして使う

8. 関連書籍との違いと併読提案

書籍名アプローチ特徴
本書(伊藤羊一)実践型・対話重視チームを“場”として再設計する視点。具体例豊富。
リーダーの仮面』(安藤広大)思考整理・構造化「感情を排し、構造で導く」プレイングマネージャー向け。
『最高のリーダーほど教えない』(鮎川詢裕子)内省・気づき型教えないことで人が育つリーダー論。育成志向が強い。

併読することで、リーダーとしての多様な視点を身につけることができます。

9. 読者の悩み別「この本の使い方ガイド」

悩み対応する章・ポイント
チームメンバーとの距離感がある第2章「1on1の設計」
会議が形骸化している第3章「ファシリテーション設計」
チーム目標が共有されていない第4章「ミッション&ゴール設定」
プロジェクトチームが機能しない第5章「横断プロジェクトの作り方」
チームの雰囲気がギスギスしている第1章「フラットな場づくり」

10. 読後すぐに実践できる「5つの行動リスト」

  1. 1on1の時間を週に1回30分、確保する
     定例ではなく“雑談を含めた余白”の場にする
  2. チームのミッションを言語化し、壁に貼る
     「何をして、何をしないか」を明確にする
  3. 会議に「問い」を持ち込む
     例:「僕たち、何のためにやってるんだっけ?」
  4. メンバーの“強みカード”をつくる
     感覚ベースでいいので、周囲から見た強みを言語化して共有する
  5. 自分自身の「志」を紙に書いてみる
     過去の原体験と未来への想いを、文字にして残す

11. まとめ:この本が挑戦に与える希望と再現性

『「僕たちのチーム」のつくりかた』は、組織論でもなければ単なるリーダー論でもありません。挑戦者にとって、最も現場的で、最も“再現性のある”行動指針をくれる一冊です。

中小企業診断士として、経営者として、そして一人の挑戦者として。
僕はこの本から、「チームはつくるものではなく、育むものだ」と再認識しました。

この本は、読者に「希望」と「やり方」の両方を与えてくれます。そして、その希望に火がついた瞬間、きっとあなたのチームは静かに、しかし確実に動き出すはずです。

12. 書籍購入リンク

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