【書評】『ヤバい仕組み化』|14期連続で増収増益を実現した究極の再現性メソッド【BookLog.81】

セールス・組織づくり

1. この本を読むべき理由

「どうすれば社長がいなくても回る会社になるのか?」
「業績が上がり続ける会社にはどんな仕組みがあるのか?」

こうした問いを持つすべての経営者・管理職にとって、『ヤバい仕組み化』は極めて実践的な道標になる一冊です。

本書は、「成果」に徹底的にこだわりながら、属人的でブラックボックス化しやすい中小企業経営を、誰でも再現可能なレベルにまで仕組み化する方法を具体的に提示しています。

特に、時間がなく、現場で火消しに追われているような経営者にとって、「仕組み化とはこういうことか!」と雷に打たれたような衝撃を受ける内容になっています。

2. 書籍の概要:著者・出版背景・構成と対象読者

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本書は、株式会社プリマベーラ取締役会長・吉川充秀氏の実践的な経営ノウハウを、同社経営サポート事業部社長執行役・松田幸之助氏が執筆したものです。

プリマベーラは、群馬県を中心にリユース業・整骨院・メディア事業など多角経営を展開する企業で、14期連続増収増益という実績を誇ります。

構成は以下のようになっています:

  • 仕組み化経営の思想と成果主義の哲学
  • 実行・決定・共有・検証を促すフレームワークの紹介
  • マニュアル・チェックリスト・日報を活用した現場力の仕組み化
  • 経営計画書の構造と活用術

対象読者は以下のような方々です:

  • 経営者(特に中小企業・個人事業主)
  • 管理職やマネージャー
  • 新規事業担当者
  • 組織改革に取り組むリーダー層

3. 要点まとめ

成果にこだわる仕組みづくり

プリマベーラではすべての施策において、「成果が出るかどうか」が唯一絶対の判断基準になっています。仕組み化は目的ではなく手段であり、成果を生まない仕組みは廃止対象です。

「決定サイクル」で全社を動かす

社長の役割は「決定とチェック」、社員は「実行と報告」。この明確な役割分担と、報告を起点とした高速な意思決定サイクルが、全社員経営の基盤を成しています。

マニュアルとチェックリストの文化

すべての業務に対してマニュアルを作り、チェックリストで実行確認を徹底。教えた人が評価される仕組みで、ノウハウが属人化せず組織に蓄積されていきます。

日報で全社が可視化される

「日報革命」と呼ばれる仕組みを導入し、毎月3000件以上の改善提案が現場から上がります。報告に対する評価制度と社内通貨の導入が、モチベーション向上にも寄与。

経営計画書のオンライン化とフルオープン化

戦略・方針・数字を記した経営計画書をクラウド化し、社員全員がアクセス可能に。変化に即応できる経営のインフラとして機能しています。

4. 印象に残った言葉・フレーズ(引用とその背景解説)

「成果のために自分の氏名すら変える」

著者の松田氏は、吉川氏のアドバイスで本名の「隆宏」から「幸之助」へと改名。松下幸之助氏にあやかるこのエピソードには、「成果」に人生のすべてを投じる覚悟が象徴されています。

「成長を最大化する方法は、自分を社長からクビにすること」

セミリタイアの決断は、属人性を排除し、仕組みで回る会社を実現した証拠。リーダーが抜けても成長し続ける組織の真髄を突いた一言です。

5. 中小企業診断士としての考察・経営者視点での価値

中小企業経営において最もボトルネックになるのが「属人性」と「判断の遅さ」です。

この本では、

  • 意思決定のスピードと質を担保する「決定サイクル」
  • 実行確率を高めるマニュアル・チェックリスト・カレンダーの徹底
  • 報告文化を根付かせる日報システム

という3つの軸で、仕組みを使った「成果の再現性」を体系化しています。

経営者視点で見ても、「経営計画書のオープン化」や「社長の仕事のチェックリスト化」など、再現可能な施策が豊富に盛り込まれており、即導入可能な実用書として高く評価できます。

6. この本が挑戦者に与える影響・実践で活きる場面

  • 人に依存しない組織作りを目指す時
  • 経営の引き継ぎや事業承継を準備する時
  • 幹部育成や現場の自走化を図る時
  • PDCAが回らず、会議が形骸化している時

こうした場面で、本書のノウハウは即効性を発揮します。

7. 誰におすすめか?どう使えば効果的か?

おすすめ読者層:

  • 従業員数10〜200人程度の中小企業経営者
  • 管理職やエリアマネージャー
  • 社内で改革を任された新任幹部

使い方:

  • 章ごとに読み、具体的な仕組みを一つずつ導入する
  • 自社の業務プロセスと照らし合わせてチェックリストを作成する
  • 経営会議の題材にして、社内での横展開を図る

8. 関連書籍との違いと併読提案

類似書籍との違い

  • 『トヨタの片づけ』や『自分を変える習慣力』は個人レベルの仕組み化が中心
  • 本書は、会社全体の経営構造を仕組みで動かす視点が特徴

併読すると効果的な書籍

  • 『仕組み経営』(林英毅):理論と体系化を重視する方向け
  • 『エスカレーター式組織づくり』(矢野健一):人事制度の仕組み化の視点から

9. 読者の悩み別「この本の使い方ガイド」

読者の悩み本書の活用ポイント
属人性から脱却したいマニュアル・日報の章を重点的に実践
会議が長い・無駄GPDCAYサイクルの考え方を導入
社員が指示待ち報告→決定→実行→検証のフローを明確化
幹部育成が進まない経営計画書をツールに巻き込みを強化
社長が忙殺されている「社長の仕事のチェックリスト」導入

10. 読後すぐに実践できる「5つの行動リスト」

  1. 日報テンプレートを見直し、現場の声を集める文化を醸成する
  2. 業務マニュアルをクラウドで整備し、共有と更新を習慣化する
  3. 会議の目的を「意思決定」と定義し、NATO(No Action Talk Only)禁止を社内浸透
  4. 経営計画書をクラウド化し、全社員に方針共有とベクトル統一を行う
  5. 「成果を出す仕組みか?」をすべての施策の評価軸に設定する

11. まとめ:この本が挑戦に与える希望と再現性

『ヤバい仕組み化』は、ただのノウハウ本ではありません。成果を出すことに全神経を集中させた実践書であり、読む者に「自分の会社でもできる」という確信と、「自分も変われる」という希望を与えてくれます。

現場視点と経営視点の両方が盛り込まれた本書は、属人的な混沌を脱し、持続可能な経営を志すすべての挑戦者に贈る、実用的かつ希望に満ちた一冊です。

12. 書籍購入リンク

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