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セールス・組織づくり

【質問力が激変】「なぜ」と聞かない質問術 書評|事実質問で会話と成果が変わる対話メソッド【BookLog.47】

2025年5月17日

1. この本を読むべき理由(悩みに共感する)

「相手の本音が聞き出せない」「質問がズレてしまい、会話が空回りする」「コンサルやマネジメントで、相手の問題の核心に届かない」。
こんな悩みを抱えたことはありませんか?それ、質問の“型”に原因があるかもしれません。

この本『「なぜ」と聞かない質問術』(中田豊一)は、40年以上にわたって開発支援の現場で“対話”の本質と向き合ってきた著者が編み出した、極めて実用的な質問技法書です。
特に、こんな方に刺さります:

  • 部下との1on1で会話が深まらないマネージャー
  • 顧客の課題を掘り出したい士業・コンサルタント
  • 経営者や起業家で、意思決定や問題発見力を高めたい人

この書籍は、対話の構造を「事実」「解釈」「感情」の3層に分解し、誰もが陥る“問いのズレ”を修正する武器を与えてくれます。
読み終えた瞬間から、あなたの質問力が根底から変わり、相手の心と事実に正確にアクセスできるようになります。


2. 書籍の概要:著者・出版背景・構成と対象読者

● 著者:中田豊一(なかた とよかず)

開発支援のプロフェッショナル。1978年、フランスでインドシナ難民と出会って以降、インド・バングラデシュなど20カ国以上で支援活動に従事。その現場で生まれた問いへの違和感を20年かけて言語化・体系化し、「事実質問」という技法に昇華させた。

● 出版社・刊行情報

  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 初版発行:2022年
  • ISBN:978-4-478-11690-5

● 書籍構成(章立て)

  1. よくない質問が「会話のねじれ」を生む
  2. 「事実質問」は最良の知的コミュニケーション
  3. 事実質問のつくり方・原則・活用例
  4. 対話と問題解決のための「8つの解決公式」

● 想定読者

  • 起業家、個人事業主、中小企業の経営者
  • 士業(中小企業診断士・社労士・税理士など)
  • 組織マネジメント層、人材育成・コーチング関係者
  • 顧客インタビュー・カスタマーサクセスを担う方々

3. 要点まとめ

「なぜ?」という問いは思い込みを助長する

多くの人が無意識に使う「なぜ?」という質問。この言葉がもたらすのは、相手の“解釈”や“感情”を刺激し、「思い込みの世界」に引き込むこと。
しかも、それが「言い訳」や「自己否定」につながり、建設的な対話を阻害してしまうのです。

「事実質問」で空中戦を地上戦に戻す

事実質問とは、「いつ?」「どこで?」「誰が?」「何を?」といった、答えが一つに定まる具体的な質問。
これにより、話が抽象的な空中戦ではなく、地に足の着いた議論に戻ります。思い込みを排し、共通の土台を築く最初の一歩になります。

質問は「思い出させるもの」。考えさせてはいけない

良い質問は、「答える準備が相手の中に既にある」質問です。「なぜ?」と考えさせるのではなく、「それって、いつのこと?」「誰に言われたの?」と、記憶の棚を開ける質問を投げかけることが大切。

「他は?」という魔法の問い

会話が行き詰まったとき、「他は?」と聞くことで視野が広がります。これは、事実の層を網羅的にするための問い。過去の出来事を時系列で並べるだけで、解決の糸口が浮かび上がるのです。

「なぜ」を「いつ」に変えるだけで会話が変わる

「なぜ辞めたの?」ではなく「辞めたのはいつ?」、「なぜ怒られたの?」ではなく「何をして怒られたの?」に変換するだけで、相手の防衛本能は和らぎ、事実がスムーズに出てきます。


4. 印象に残った言葉・フレーズ

「考えさせるな、思い出させろ。」

この一文に、本書の本質が凝縮されています。
“考えさせる質問”は、相手の「解釈」や「言い訳」を生みやすく、会話がねじれます。
一方、“思い出させる質問”は、相手が見聞きした過去の「事実」にアクセスさせ、建設的な対話が進むのです。
コンサルティングやマネジメント、教育の現場において、この原則は極めて有効です。


5. 中小企業診断士としての考察・経営者視点での価値

僕自身も、中小企業の経営者や個人事業主と接する中で、たびたび「課題がズレている」と感じる場面に直面してきました。
その原因の多くは、「課題があいまいなまま進めてしまっていること」でした。

この書籍の「事実質問」という技法は、ファシリテーションやコンサルティングの品質を根本から引き上げる“思考のインフラ”です。
事実に即して対話を組み立てることで、無駄な提案や的外れな施策を避け、意思決定の精度が劇的に上がります。

加えて、顧客や従業員との信頼関係構築にも効果を発揮します。質問が“責める”ではなく“理解する”ための手段になるからです。


6. この本が挑戦者に与える影響・実践で活きる場面

  • 1on1面談での本音引き出し
    部下が「うまくいっていない」と言ったとき、「なぜ?」ではなく「いつ、何があったの?」と聞くことで事実ベースの対話が可能になります。
  • ヒアリング型営業やカスタマーサクセス
    顧客の不満や課題に対して、「なぜそう感じたのか?」ではなく「それは、いつ起きたことでしょう?」と尋ねることで、クレームではなく改善の材料に転化できます。
  • 経営課題の棚卸し
    課題が抽象的な場合、例えば「最近うまくいかない」と言われたとき、「何が、いつからうまくいかないと感じていますか?」と事実に分解することで、経営会議の質が上がります。

7. 誰におすすめか?どう使えば効果的か?

この本は、以下のような人々に強くおすすめします:

● 経営者・個人事業主

事業判断を下す際、従業員や顧客から「事実ベースの情報」を得る必要があります。この本の質問術は、経営上のボトルネックや未可視化されていた問題の発掘に役立ちます。

● 士業・コンサルタント

顧客の本質的な課題を特定する力は、サービスの価値そのものです。特に中小企業診断士、社労士、税理士、FPなどにとって「質問の質=コンサル力の質」と言っても過言ではありません。

● マネージャー・人事担当者

1on1やフィードバック面談で部下の成長を支援したい人、離職を防ぎたい人にとって、事実質問は信頼関係の土台を築くスキルとなります。

● コーチ・カウンセラー・教育関係者

「問い」を武器にする職種全般において、本書は“絶対に避けるべき質問”と“代替すべき問い方”を体系的に教えてくれます。


8. 関連書籍との違いと併読提案

書籍名特徴本書との違い
『質問の力』(マイケル・マーロン)コーチング理論に基づく質問設計感情・価値観を引き出すことが中心
『ファシリテーション入門』(堀公俊)会議運営・集団対話の技術書会話の設計にフォーカス、本書は“個人対話”に特化
『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)原則主義の生き方自己変革・内省寄り。本書は“対人対話”に徹底フォーカス
『イシューからはじめよ』(安宅和人)解くべき課題設定の思考技術分析・思考面が主軸。質問の実践面に乏しい

併読するなら、『ファシリテーション入門』と組み合わせて、「個別対話 × 集団対話」の両軸を鍛えるのが非常におすすめです。


9. 読者の悩み別「この本の使い方ガイド」

読者の悩み活用法
会話がいつもズレる、噛み合わない第1章「なぜ質問の弊害」で仕組みを理解
ヒアリングしても本音が出てこない第2章「事実質問の定義と公式」を反復練習
部下が言い訳ばかりで前に進まない第4章「詰問型をやめる」練習を面談で実践
自分が“詰める質問”をしてしまいがち「いつ?何?どこで?誰?」の変換トレーニング
コンサル提案が的外れになりがちフェーズ分析で「事実から始める」習慣づけ

10. 読後すぐに実践できる「5つの行動リスト」

  1. 「なぜ?」を「いつ?」「何があった?」に言い換える練習をする
    • 会話で無意識に出た「なぜ?」をリフレーミングしてみましょう。
  2. 日常の会話で「事実質問」を5回以上使ってみる
    • 家族・同僚・顧客との対話を記録し、事実にどれだけ触れたかをチェック。
  3. 社内会議の議事録に「事実」と「解釈」を色分けして記録する
    • 混同が減り、意思決定の精度が上がります。
  4. 1on1ミーティングで「他は?」を使って深掘りする
    • 部下の思考を広げ、隠れた課題が見つかる可能性が高まります。
  5. 「なぜ?」と言いたくなったとき、3秒止まって「過去形の質問」に変える
    • 思考のクセを矯正する最初の一歩です。

11. まとめ:この本が挑戦に与える希望と再現性

この本は「問い方一つで、人間関係も、対話も、成果も変わる」という真理を突きつけてくれます。
そしてそれは、論理的かつ誰でも実践できる“再現性のある技術”として提示されています。

僕自身、この「事実質問」という技法を知ってから、経営者としても、診断士としても、顧客との対話が一段階深くなった実感があります。

「問いの質は、人生の質を変える」

この言葉をリアルに体験したい挑戦者に、心からおすすめしたい一冊です。
まずは、「なぜ?」を封印し、「いつ?」から始めてみてください。
その瞬間から、あなたの対話は変わり始めます。


12. 書籍購入リンク

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